エフェクト作成ツール「Effekseer」(エフェクシアー)を使ったエフェクト作成の入門講座第2弾です。普段エフェクト作成やゲーム開発をしない方も、本記事をきっかけにエフェクト作成に興味をもってもらえたら嬉しいです。前回のエフェクトと同様に、作成したエフェクトはUnityに読み込んで使用したり、連番画像ファイルに出力することでWebGLやFlash等にも利用できます。「Effekseer」の使い方は前回の記事「エフェクト作成入門講座 Effekseer編 UVスクロールを使ったマグマエフェクトの作成」で解説していますので、あわせてご覧ください。
今回のお題:リング描画を使った乱れ斬りエフェクト
やってみよう:デモエフェクトの作成
制作の流れ
各パーツ毎に制作の流れを解説します。
- 剣の作成
- 剣のモーションを作成
- 炎(剣の軌跡)の作成 (リング描画機能を使用)
- 火花 (ヒットエフェクト)の作成 (軌跡描画機能を使用)
- 単体の剣モーションの作成
- 乱れ斬りモーションの作成
- 紙くず (余韻エフェクト)の作成 (リボン描画機能を利用)
- 仕上げ ※レンズフレアとパーティクルはサンプルファイルを直接ご覧ください。
デモエフェクトのダウンロード
Step1:剣の形状を作成
Step2:剣のモーションを作成
Step3:炎 (剣の軌跡)の作成
- [リング描画機能]を使って扇型のポリゴンを作成します。
- 作成したポリゴンに次に作る炎のテクスチャーを設定します。
- After Effects CCを使って炎のテクスチャーを作成します。今回のエフェクトで一番肝となる箇所です。Effekseer上で動作をチェックしながら、最終的にはPhotoshopを使って炎に見えるように細部を調整します。
- 炎が軌道上を移動する動きは、[UVスクロールアニメーション]を使って実現します。
Step4:火花 (ヒットエフェクト)の作成
- [軌跡描画機能]を使って火花のラインを描画します。
- パーティクルの速度をY方向プラス(画面の上方向)、加速度をY方向マイナス(画面の下方向)に設定することで、噴水から水が噴き出る動きを実現します。
- パーティクルに親ノードを作成し回転角度をランダムに設定することで、360度全方向に噴射する火花の動きを実現します。
Step5:単体の剣モーションの作成
Step6:乱れ斬りモーションの作成
- 乱れ斬り(無数の攻撃)の動きを作成します。Step5で作成した[SwordContainer]ノードを1パーティクルとして複数個発生させます。回転角度、生成するタイミングをずらし、20個のパーティクルを発生させ連打の動きを実現しています。
- Step3の火花エフェクトで設定した回転への影響をなしのおかげで剣モーションはランダムな角度で動きつつも、火花は現実世界のように画面下方向に落下する動きを再現できます。動きのリアリティーを追求するうえでとても重要な設定です。
Step7:紙くず (余韻エフェクト)の作成
Step8:仕上げ
おわりに
アクションゲームでよく登場する剣のモーションエフェクトを作成しました。エフェクト作成当初は1つの剣モーションの予定だったのですが、大量に発生させてみたところカッコイイと思ってしまったため、急遽「乱れ斬りエフェクト」を作成するという流れになりました。制作途中でも柔軟に方針を変更できるところはEffekseerのオススメポイントです。次回もエフェクト作成や演出作成の記事を投稿する予定ですのでぜひお楽しみに。
参考サイト
- 公式サイト:エフェクト制作ツール「Effekseer」
- 公式ドキュメント:Effekseer Help
- エフェクトツール Effekseerの最近事情2014
エフェクト作成入門講座 (バックナンバー)
※この記事が公開されたのは5年5ヶ月前ですが、 2019年2月に内容をメンテナンスしています。