世界最大のクリエイティブカンファレンスAdobe MAX 2017が米ラスベガスで開催されています。10月18日の基調講演では、アドビの人工知能「Adobe Sensei」を活用した、未来のクリエイティブツールのデモが実演されました。

本記事では、速報として現地で取材しているスタッフ(池田)がレポートします。

Photoshopに組み込んだAdobe Sensei

Photoshopに組み込んだAdobe Sensei。「クリエイティブアシスタント」という位置付けです。Siriのようにサイドパネルでいろいろアドバイスするそうです。

映画のポスターの手描きのスケッチをPhotoshopに挿入します。すると、サイドバーに解析した結果が表示されます。このスケッチから「女性」「星」「宇宙」が含まれていることをAdobe Senseiが分析しています。

キーワードを元に検索するよう伝えると、適した画像素材を自動的に検索してくれます。

写真素材の新しい検索方法

背景用の宇宙の写真素材。この写真素材に含まれる成分を抽出しています。例えば、次の写真だと「Stars」や「Galaxy」「Space」といった成分で成り立っています。

写真を構成する成分を元にさらに写真素材を絞り込めます。例えば、「Stars」成分から「星のサイズ」や「星の密集度」をスライダーで調整すると、適した画像をピックアップします。これ、凄すぎませんか? 人工知能によって写真固有の情報が分析されているのですね。

人物写真の顔の向きを候補を示してくれる

女性の写真をポスターに挿入します。Adobe Senseiは角度違いの女性の写真素材を見つけてきてくれます。

Adobe Senseiは顔の向きベクトルを解析。角度違いの写真をスクラブで選べます。

背景の切り抜きも自動作業

写真素材から、人物の切り抜きを自動的にしてくれます。髪の毛の部分も綺麗に切り抜いています。

デザイナーの好みも機械学習で

タイトルのエフェクトも文字入力だけ。人工知能がデザイナーの好みを理解していて、適したフォントやサイズで自動的にレイアウトします。

Adobe XDでは人工知能が自動的にレイアウト

Photoshopで作ったデザインはXDにも持って行くことができます。Photoshopと同様に画面右上にAdobe Senseiが控えています。青い二重丸の部分です。

Adobe Senseiに「Create iPhone Layout(iPhone用のレイアウトにして)」とお願いします。すると、iPhone用のレイアウトを自動生成し、サイドバーに候補を出してくれます。

候補の中からレイアウトをピックアップして、画面左側のアートボードへドラッグ&ドロップで確定させます。画面左下にiPhone用のレイアウトのアートボードが追加されています。

画面遷移も自動的にAdobe Senseiが導線を貼り付けてくれます。

「あの時こういう選択をしていたら」を叶える機能

最後にCreative Graphという機能を紹介しました。「あの時、別の写真素材を選んでいたら完成品はどうなったのか」を試せる神機能です。

ポスターの制作過程は全てAdobe Senseiが記録しています。

例えばモデルの角度が違ったら、どんな印象になったか瞬時にシミュレーションできます。

スクラブでアングルを調整できます。

元々のスケッチの段階で「女性」としてデザインを進めていましたが、「男性」を選んでいた場合の見え方もシミュレーションできます。人物選定は初期工程の作業でしたが、後工程の加工も再現してくれます。いやはや、なんでもありですね…!

まとめ

この機能は現時点ではCreative Cloudで利用できませんが、将来的にアドビが製品に組み込んでくる可能性はあるでしょう。昨年のAdobe MAX 2016の衝撃的だった「Adobe Sensei」の発表から一年。Adobe Senseiはさらなるステージに向かって進化を続けています。

「Adobe Senseiは人間の仕事を奪うものではない。助けるものだ」と基調講演でアドビが主張していました。これがアドビが考える人工知能との付き合い方です。

この他にも、Adobe MAX 2017の速報記事をまとめています。あわせてご覧ください。