現場で使えるアニメーション系JSライブラリまとめ
GSAP, Anime.js, Motion, Tween.js, WebAnimationなど

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ウェブサイトのインタラクションやUIの演出など、HTMLでモーションを実装する機会は多々あります。HTML要素の簡易的なアニメーションであればCSS Transitionを使ったことのある方も多いでしょう。しかし、Canvas、SVGなどJavaScriptを用いる場合は、CSS Transitionでは対応できず、アニメーションライブラリが必要となる場面があります。

JavaScriptのアニメーションライブラリは多種多様なので、どのライブラリを採用するのか悩みどころです。本記事ではHTMLのJavaScriptライブラリについて、使い勝手や書式を紹介します

今回紹介するメジャーなJSライブラリ6種類

メジャーなJavaScriptライブラリとして次の6種類を紹介します。

※記事の末尾に各種ライブラリの容量やライセンス等を記載してます

GSAPジーサップ - 最速で多機能なライブラリ

同時実行性能:★★★ / 容量:★☆☆ / 機能:★★★

GSAPジーサップはFlashの時代から存在する歴史のあるハイエンドなライブラリです。かつては「TweenMax」「TweenLite」というライブラリ名でしたが、2019年秋からブランド名が「GSAPジーサップ」に統一されました。

GSAPは、かなりの機能が備わっています。多彩な表現に挑戦したい、多くのオブジェクトを滑らかに動かしたい、という方にオススメです

記述例

gsap.to(".rect", {
  duration: 3, // 秒指定
  x: 700,
  rotate: 360,
  repeat: -1, // 繰り返し指定
  ease: "power3.inOut" // 加減速の種類
});

実行結果

アニメーションサンプル

GSAPは72KBと容量がやや大きいものの、ツリーシェイキングに対応。パッケージマネージャーnpmやTypeScriptでの利用も対応しています。

GSAPはFlash時代から長期間にわたり継続的に開発されています。GitHubの履歴をみても高い頻度で更新されています。

GSAPは商用利用も含め100%無料です。以前は、特定の用途では有料ライセンスが必要でしたが、2025年4月よりボーナスプラグインも含めて無料利用できるようになりました。詳しくは公式サイトの次のページをご覧ください。

GSAPの応用例としてICS MEDIAではスクロール演出やWebGL演出を紹介しています。

Reactへの組み込みをサポートする機能も提供されています。

Motion - 宣言的UIに適したライブラリ

同時実行性能:★☆☆ / 容量:★☆☆ / 機能:★★☆

MotionはモダンなUIライブラリで使えるアニメーションライブラリです。

ReactやVueに宣言的UIとして組み込むことができるほか、生のJavaScriptとしても利用できます。npmでもダウンロード数は他のライブラリに比べて圧倒的に多いことも特徴です(参照:npm trends)。

記述例

▼ 生JSでのサンプルコード

import { animate } from "motion";

animate(".rect", {
  x: 800,
  rotate: 360,
}, {
  duration: 3.0, // 秒指定
  repeat: Infinity, // 繰り返し
  ease: "easeInOut" // イージング
});

▼ Reactでのサンプルコード

import { motion } from "motion/react";

function Component() {
  return <motion.div animate={{ x: 800, rotate: 360 }} />
}

Motionはもとは次のように変遷しています。

  1. Popmotion:2015年頃から登場した容量が軽量なJSライブラリ
  2. Framer Motion:React向けのモーションライブラリ。Popmotionの作者がFramerに参加。内部エンジンにPopmotionが使われている。
  3. Motion:Framer Motionの後継。React以外に、Vueや生JSに対応。

そのため、PopmotionやFramer Motionを利用している方は、Motionに移行するほうがよいでしょう。前身のPopmotionの開発は2022年から下火になっています(GitHub)。

Motionは実行性能はあまり優れず、演出の機能が少ないことがネックです。

Anime.js - API豊富なライブラリ

同時実行性能:★★★ / 容量:★☆☆ / 機能:★★★

Anime.jsは2016年に登場したJSライブラリです。登場時に公開されたデモ(当時は公式サイト掲載されていた)のオシャレな表現が注目を集めました公式サイト(2025年にリニューアル)のセンスのよい演出が施されています。海外製のライブラリなのに、「アニメ」という名前が採用されているのが日本のエンジニアとして嬉しいですね。ドキュメントのデモもわかりやすいのもよい特徴でしょう。

プロパティごとに異なるアニメーションも設定可能。簡素な指定で直感的にアニメーションを指定できるのが特徴と言えるでしょう。

記述例

import { animate } from "anime.js";
animate(".rect", {
  x: 800,
  rotate: 360,
  duration: 3000, // ミリ秒指定
  loop: true, // 繰り返し
  easing: "easeInOutCubic" // 加減速の種類
});

GSAPと同様に、位置・角度などtransformの指定にショートカットとしてxrotateが使えるのは便利です。

2020年10月のv3.2.1リリース後から開発へのコミット数が減少していましたが(GitHub)、2024年頃にバージョン4が公開されました。以前のバージョンでは、GSAPやTweenJSに比べて同時実行性能が劣っていましたが、バージョン4になり同水準の性能に達しています。

Reactへの組み込みをサポートする機能も提供されています。

Tween.js - プレーンなJS用ライブラリ

同時実行性能:★★☆ / 容量:★★★ / 機能:★☆☆

Tween.jsは機能はあまりなく、容量の小ささが特徴。余分な機能は搭載せず、プレーンな設計に徹しています。

多くのライブラリ名に採用されている「トゥイーン」はもともとFlashの用語。開始値と終了値の「間」を示す「Between」が語源となっています。終了値までプロパティを変化させる機能を「トゥイーン」と言います。

CSSの単位自動補完には未対応なので、次の記述例のようにHTML要素を制御しようとすると、煩雑なコードになります。CSSには向かないので、WebGL・WebGPUやCanvasの制作に使うのがいいでしょう。

記述例

import { Tween, Easing } from "@tweenjs/tween.js";

const element = document.querySelector(".rect"); // 要素を取得
const param = { x: 0, rotation: 0 }; // 仮想の変化値Objectを作成

const tween = new Tween(param)
  .to({ x: 800, rotation: 360 }, 3000)
  .repeat(Infinity) // リピート指定
  .easing(Easing.Cubic.InOut) // 加減速の種類
  .onUpdate(function () {
    // 更新時
    // 仮想の変化値Objectを要素に反映
    element.style.transform = `translateX(${param.x}px) rotate(${param.rotation}deg)`;
  })
  .start();

// 更新は任意のタイミングで行う
loop();

function loop() {
  requestAnimationFrame(loop);
  tween.update();
}

実行結果

Tween.jsの開発は継続的に行われているようです(参考:GitHub)。

なお、CreateJSに似たような名前のライブラリ「TweenJS」が存在しますが、本Tween.jsとは別物です。

jQuery - 幅広い環境で動作する枯れた技術

同時実行性能:★☆☆ / 容量:★☆☆ / 機能:★☆☆

jQueryにはアニメーション用の animate() という関数が用意されています。jQueryを読み込むだけで利用できるので導入は簡単ですが、イージング(加減速)の種類が少なかったり、オプション指定がほとんどなかったりするので、複雑なことはできません。位置・角度などtransformのショートカットの指定がないのも不便です。

記述例

$(".rect")
  .css({ left: 0 }) // 初期値
  .animate(
    { left: 800 },
    3000, // ミリ秒指定
    "linear", // 加減速の種類
  );

jQueryのanimate()メソッドは後述のWeb Animations APIで代用できるため、今の時代、jQueryのanimate()を使う必要はないでしょう。

Web Animations API - DOM要素のアニメーションなら

同時実行性能:★★☆ / 容量:★★★ / 機能:★☆☆

Web Animations APIはDOM要素をアニメーションできるAPIです。サイト「Can I Use…」によると、全ブラウザ(Chrome、Edge、Firefox、Safari)が対応しています。

書式はシンプル。CSS TransitionsやCSS Animationsなど類似の標準技術よりも、JavaScriptで制御しやすいのが特徴です。

記述例

// 要素を取得
const element = document.querySelector(".rect");
element.animate(
  {
    transform: [
      "translateX(0px) rotate(0deg)", // 開始値
      "translateX(800px) rotate(360deg)" // 終了値
    ]
  },
  {
    duration: 3000, // ミリ秒指定
    iterations: Infinity, // 繰り返し回数
    direction: "normal", // 繰り返し挙動
    easing: "ease" // 加減速種類
  }
);

Web Animations APIはHTML要素の機能となるので、WebGL・WebGPUやCanvasには利用できません。

ライブラリではないため容量を気にしなくて良いことがメリットです。パフォーマンスのために採用するというよりは、「ライブラリ非依存で使いたいか」で決めるといいと思います。

付録:ライブラリの容量やライセンスについて

概要

ライブラリ名 容量 ライセンス CDN
(UMD)
CDN
(ESM)
npm WebGL・
WebGPU
TS型定義
GSAP 72KB 独自(無償) 同梱
Motion 81KB MIT 同梱
Anime.js 84KB MIT 同梱
Tween.js 13KB MIT 同梱
jQuery 88KB MIT × × @types提供
Web Animations API - - - - - × -

※容量はファイルサイズを記載(GZIPではありません)

機能

ライブラリ名 タイムライン React対応 FLIP スクロール連動 SVGモーフィング ドラッグ スタッガー CSS補間
GSAP
Motion
(React)
×
Anime.js × ×
Tween.js × × × × × × × ×
jQuery × × × × × × × ×
Web Animations API × - × × × × × -

参考

まとめ:目的に適したライブラリを

実際にどのライブラリを使用するかは目的に合わせるべきだと思います。GSAPは多機能で高性能が魅力で、DOM制御では簡潔に記述できるAnime.jsも良い選択肢といえます。学習コストや将来性、枯れ具合、動作環境、デバッグの行いやすさ、開発環境の充実度などもあわせて、最適なライブラリを選ぶのがいいでしょう。

調べるのが大変という方は、とりあえずGSAPを使うのがオススメでしょうか。基本的な使い方はどのライブラリも同じなので、1つを学べば他のライブラリに勉強したことを活かせます

続編記事「JSライブラリの性能をDOMとWebGLで比較検証」で各ライブラリのパフォーマンス(同時実行性能)を紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。

※この記事が公開されたのは8年前ですが、今月8月に内容をメンテナンスしています。

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池田 泰延

ICS代表。筑波大学 非常勤講師。ICS MEDIA編集長。個人実験サイト「ClockMaker Labs」のようなビジュアルプログラミングとUIデザインが得意分野です。

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