9. 写真の空の部分をいい感じに置き換える技術

記念写真を撮影したとしても、空の映りがイマイチであれば写真は台無しです。「Sky Replaceスカイ リプレイス」を用いると、異なる写真の空の部分だけを解析し差し替えることが可能です。

次の写真を撮影したとします。空のハイライトが飛んでいます。

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空の部分を差し替えるため、空の別の画像を準備します。デモではAdobe Stockから画像を持ってきていました。

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元画像の空部分をクリックするだけで、空の部分が解析され、指定の空画像に差し替わります。単に空が差し替わるだけでなく、空の光に合わせて全体のトーンやコントラスト・色温度も調整されます。

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この技術があれば、曇り空での撮影も問題ありません。例えば次のような写真があったとします。

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SkyReplaceにより、青空はもちろん、夕焼けも適用できます。建物の壁部分を見るとわかりますが、空のトーンに合わせて建物の壁の光の反射具合も変わっています。

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10. 音声を切り貼りで合成する技術

マシンラーニングによって音声合成を可能にする技術「VoCoボコ」。音声解析によって文字列化された文章は、単語の順番をコピペで変えることでその順番で滑らかに発話されます。

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20分の会話音声を提供していれば、その人が話していないワードまで読み上げることが可能。タイピングした文章を、その人の声で発話できるデモを紹介。会場の聴衆は驚き拍手喝采に。

この発表はYouTubeでも公式に公開されています。2分5秒から説明をご覧ください。5分時点では観客から「Amazing」と狂喜乱舞の状態になっています。

登壇者は「まるでPhotoshopで画像を編集するように、音声を編集できる」という表現をしていました。その人が発話していないワードまで喋らせることができるので、「故人の声を聴くことができる夢の技術」であるとか、「政治に悪用されたら困る、音声情報にウォーターマークが必要ではないか」と参加者で話題になりました

11. HMD内で映像編集するVR技術

現在VR映像はトレンドとして需要は高まっていますが、VR映像の編集のソリューションは十分に整っていません。映像編集するときにはヘッドマウントディスプレイ(以下、HMD)を着脱しながら最終出力結果を確認する必要がありました。この問題を解決するのが「Clover VRクローバー ブイアール」。HMDをつけたまま、VRビデオを編集が可能です。

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▲ CloverVRによりHMDを外すことなくVR映像を編集している様子

会場では、HMDをつけたまま複数のVR動画を編集する様子を実演。編集と同時に出力結果である360度映像を確認できるので、効率的にVR映像を作成できます。

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▲ 編集中のVR映像。2種類のVR動画を、適切なタイミングで入れ替えようとしている。

こちらの発表もYouTubeで公開されています。3分の時点で、視点編集の様子が紹介されています。

まとめ〜製品に搭載され我々クリエイターが使える技術になるかもしれない

Adobeの真骨頂ともいえる「Adobe Magic」。画像加工技術・映像/音声解析技術の強みを中心にAdobeの底力が発表されました。ここで紹介されたものは、実験的な技術なので必ずしも将来製品に実装されるかはわかりません。しかし、筆者は6回Adobe MAXに参加しスニークスを見てきましたが、ここでで紹介された技術の多くが製品に搭載されていることを確認しています。

Adobeの真価が披露されたSneaks。そのとてつもない技術は、スキルと熟練を要するクリエイティブの作業を誰もが享受できるようにしたいというAdobeの意思を感じます。クリエイティブの未来を垣間見ることができたAdobe MAX。これからAdobeはどのようなクリエイティブな革命を起こしていくのでしょうか。目が離せません。