アドビ システムズ株式会社(以下、アドビ)は12月1日、「Adobe Flash Professional」の名称を、2016年初頭より「Adobe Animate CC」に変更すると発表しました。(参照記事「Adobe Flash Professional を Adobe Animate CC に名称変更 | Adobe Creative Station」)

このニュースを皆さんはどのように捉えましたか? 「ついにFlashが終わった」「Flash、いままでありがとう」と思った方は全くの見当違い。今回のニュースで勘違いしがちなポイントをまとめました。

制作ツールの名称だけが「Flash Professional CC」から「Animate CC」に変更

▲ Flash Pro CCの公式サイト。名称変更についてアナウンスされている。

Flashコンテンツ(SWFファイル)を作るツールが「Flash Professional CC」。このツールの名称だけが「Animate CC」に変更されます。

今回の製品名称変更はツールとしてのスタンスを示すためで、アドビの発表では「ウェブなど幅広いプラットフォームに対応するアニメーション制作ソフトであることをより明確に示すため」としています。Flash Professionalは従来はSWFを制作するためのツールとして多くのクリエイターに使われてきましたが、ここ数年はSWFだけではなくHTML5への出力機能を中心に進化が続いてきました。

そのため現場では「HTML5コンテンツをFlash Professionalで作る」というややこしい状態になっていました。今回のツールの名称変更によって「HTML5コンテンツをAdobe Animate CCで作る」とわかりやすくなるでしょう。

Flashテクノロジーが終わったという勘違い / Flash Playerという名称は継続

Flashコンテンツ(SWF)を再生するブラウザプラグインは「Flash Player」。このプラグインの名称は変更ありません。

インプレスの記事では次のように取材されています。

なお、同社広報部に確認したところ、名称変更はあくまでオーサリングソフトであるFlash Professionalのみとしており、「Flash Player」の名称を変更する予定は一切ないとしている。

Adobe、「Flash Professional」を「Animate CC」に名称変更、「Flash Player」は変更予定なし -INTERNET Watch

アドビの発表記事では「Adobe Animate CCでは、これまで通りFlash Player(SWF)とAdobe AIRをサポート」とされています。Adobe Labsでは最新のFlash Player 20 / Adobe AIR 20のベータ版を今年11月に発表したばかり。現時点でブラウザプラグインの開発終了の発表があったわけではないので、「Flashが終了した」と早とちりするのはやめましょう。テクノロジーとして、Flashという名前が消えるわけではありません。

▲ Flash PlayerとAdobe AIRの次期バージョン(ベータ版)のリリースノート。今後もランタイムはアップデートされていくだろう。

そのためWebサイトでFlashが使われることも現状と変わらず継続していくでしょう。FlashのファイルフォーマットであるSWFが使ったサイトやゲームであれば、「Flashサイト」や「Flashゲーム」という呼び名は継続して使われていくでしょう。

ニーズが高まっているFlash ProのHTML5 Canvas機能

アドビの発表記事では「Flash Professional で制作されるコンテンツの 1/3 以上は HTML5 を使用しており、それらのコンテンツは全世界で 10 億台以上のデバイスで閲覧されています」と紹介されています。

2012年登場のFlash Professinal CS6からHTML5 Canvasを出力する機能が搭載されました(当時は「Toolkit for CreateJS」という機能名でした)。寄稿記事「Flash Professional CC 2015の新機能と海外の最新動向 | Adobe Creative Station」で紹介したとおり、近年Web広告コンテンツの制作ツールとしてのニーズが高まっており、iabによるバナー広告の業界標準フォーマットにも準拠しています。

▲ Adobe MAX 2015では、AOLシニアクリエイティブ・ディレクターのColin氏のセッションでバナー広告制作におけるFlash Pro CCの利点が紹介された

次のページでは、もはやFlash制作だけのツールではなくなったFlash Pro CCの現状の一面を紹介します。